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「覚悟があるのなら、『通州事件 Sさんの証言』で検索してみて」
そう言って、葵はその場を離れた。
一同はいっせいに顔を見合わせ、スマホを開いた。
楡の木の木漏れ日を浴びながら、私たちは、Sさんの問わず語りを聞いている.
風が頬を撫で過ぎていく、穏やかな昼下がり…
こんなこと、知らなかったよ。何にも知らないまま、こうやって暢気に暮らしていた。だんだん胸が締め付けられ息が苦しくなっていく…。
そうだ。何だかすっかり忘れていたけど、この話は蘭太郎君も桜子も打ちのめしたのだ。うなだれ、すすり泣き、それでも歯を食いしばり いつの間にか人の輪が大きくなって行った。一体、何事があったのか、と…。

葵は桜子との待ち合わせ場所へ急ぎながら、心の中で桜子に語りかけていた。ずっと、蘭太郎君のこと好きだったんでしょう? だから、この高校を選んだ。桜子だったら、もっと学力の高い高校にいけたのに。彼にふさわしい人間になろうと。ずっと自分を律して生きてきた。私もあの日、あの公園にいたんだよ。
「お砂場事件」お弟子さんたちの間では、ひそかにそう呼ばれている。私の叔母さんが、住込みのお弟子さんなの…。
あの日を境に何もかも変わった。奥様は蘭太郎は男の子だし、剣の道に進んでもいいと思っていた。奥様は恐れたのだ。凄まじい殺気を放った、まるで、まるで鬼神のような幼い我が子を。いつか、その恐るべき力がこの子を不幸にするのではないかと、心底恐れた。勿論、夫に相談するわけにはいかなかった。相談すれば、鬼の井上は喜んでますます蘭太郎を鍛え上げるに決まっているから。だから、蘭太郎を女の子のように育てた。それ以来、夫婦仲は悪くなり、今に至っている…。

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